人の気持ちは分からないぐらいが丁度いい

家族八景
家族八景

家族八景読了。
恥ずかしながら、著者の筒井康隆はこの作品で初めて知った。
小飼弾さんが、「筒井康隆」は最高!と著書で述べていたので、「弾さんがそういうなら間違いない!」と思って購入。
予想以上に面白かった。
こんな本を今まで見逃していたなんて、ワシもまだまだじゃのう。。。。

主人公が人の心を読み取ってしまうという超能力を持っているが故の辛さ、苦しみを描いている。
内容(アマゾンより)

幸か不幸か生まれながらのテレパシーをもって、目の前の人の心をすべて読みとってしまう可愛いお手伝いさんの七瀬――彼女は転々として移り住む八軒の住人の心にふと忍び寄ってマイホームの虚偽を抉り出す。 人間心理の深層に容赦なく光を当て、平凡な日常生活を営む小市民の猥雑な心の裏面を、コミカルな筆致で、ペーソスにまで昇華させた、恐ろしくも哀しい本である。

人の心が読めるなんて、最強だろ!と思うが、何考えているのか全部分かってしまうと、自分に好意を持っているのかそうでないのか、全部分かってしまう。
おべんちゃら、ごまかしが利かない。
人の気持ちが分かってしまうと、普通の生活はまず出来ないのではないだろうか。 人の気持ちなんか分からないぐらいが丁度いい。

まー、面接では人の心読みたいけどな。
おべんちゃら言って、猫被る人がどれほど多いことか。
そんな時、七瀬に私はなりたい。