老いと透明感

羽生善治との対話

羽生の本読了。
「勝つことに価値は見出せない」と事あるごとに言っているインタビュー本。
彼ほど勝ちまくっているから言える言葉だと思う。
負けまくっている人に勝つことに価値は見出せないと言われても負け惜しみと捉えられるのがオチ。
将棋は他のスポーツと同様に若い人が有利とされている。彼も47歳。常に世代交代と囁かれており、それを結果で跳ね返してきた。
しかし、羽生のタイトルは今竜王のみ。
こうしている間に羽生善治も今、竜王戦で戦っている。フルセットまでいっており、まさに死闘だ。
誰しもが老い、やがて引退する。
あの将棋界のスーパースター羽生善治も例外ではない。
これから先、彼はどうなっていくのだろう?
ライバルと言われている森内俊之は、フリークラスに行ってしまった。
同じような道を辿るのだろうか。それとも加藤一二三のように、長年這いつくばって、棋士人生を歩んでいくのだろうか?
これから注目したい点である。

さらに、この本から羽生善治の透明感を感じる。
彼の言葉一つ一つが人間臭くない、爽やかな印象を与えている。
わざとそうしているのか、あるいは天然なのか。

彼の言動は尊敬に値する。
いずれにせよ、彼のような棋士はもう出てこないのではないだろうか。